白 木 蓮 華 や か な り し 傷 深 し

はくもくれん はなやかなりし きずふかし

三月ころ、まるでコブシを追いかけるように、ハクモクレンが咲き出します。

どちらも白く、よく似てはいるのですが、白木蓮の方がはるかに大きく、花びらに厚みがあり、つまり迫力がぜんぜんちがう感じを受けます。

高さもたかく、5メートル以上の大木に、大きな花が咲き満ちるのです。

ただ咲いた花は散るもので、花びらが大きい分散り落ちた花は無惨な印象です。

真っ白だった花びらに、褐色のキズが入り、しだいに全体がしょぼくれてゆく。

こんなに落差が大きいなら、小さい花のコブシのほうがいいかなと、思ってしまうのです。

サクラのように、風に飛ばされるほど、軽くはないのです。