梅雨曇り万葉集は恋の歌

牧の牛瞳濡らせり夏の朝

茗荷汁飲みて涼しき物忘れ

逢はせたき人呼べと医者蝉時雨

佐賀産の玉葱極限まで肥る

崩落に瀑布となりぬ著莪の崖

梅雨気配犬小屋修理小半日

福島はフクシマとなり夏の峯

喜寿などと知らぬこととて田植ゑどき

水羊羹ひと匙ごとの子ども自慢