きまもりや ふるさとのみち ほそきまま
柿や柚子を収穫するとき、木のてっぺんに実を残しておきます。
翌年もたくさん実がなりますようにというまじないらしく、そのことから「木守」と呼ぶそうです。
まじないといっても、実際は鳥が食べることが多く、鳥に実りを分け与えるという意味があるとか。
秋の夕空を背景に、ぽつんと残っている実は郷愁を誘うものです。
ほんとうに久しぶりに、故郷とは言えないかもしれないけれど、幼いころを過ごしたところを訪れてみました。
区画整理もなされず、あのときのままの道幅で、へんに曲がったところもそのまま。
家々も、アパートに変わるでもなく、ただ古びただけで、ウチに寄りつかなかった父や、苦しかっただろう若かりしころの母のことが思い出されました。