たねうまに じかんわりあり なつのやま
種馬になりたいと言った愚かなオトコを知っています。
まずは実績。
優秀であることが第一条件です。
「すでにこの時点で失格です。」言ってやればよかった。
しかしながら、ようやく引退して、余生はゆったり過ごそうと思ったのも束の間、時間割に基づく苛酷な、もしかしたら現役時代より辛い日々が待っているのです。
種付けは一日三回、一回終わるごとに、わずかな休息が与えられ、その間は放牧されるとのことです。
メス馬の中には、気が乗らなくて、激しく蹴るモノもいるとか。
蹴られたくらいで引き下がることなど許されないのです。
仕事ですから。
性欲の強い弱いに個体差は当然あるわけで、弱いタイプにとって、この仕事はむごいと言っても過言ではありません。
着床がうまくいかないという理由で、何回もやり直しにやってくるメスもいるとか。
気の毒でたまりません。