おうじょうの ありてなお うめどようぼし
死に、そして生まれて、世代は脈々と受け継がれます。
高齢化が進み、死が連なって訪れることも珍しくありません。
家には、やるべき仕事が、季節によって、山のようにあるものです。
農家は、とくにそうです。
梅漬け、らっきょう漬け、その他なんやかやと、人が死んでもやらなければならぬのです。
たとえば梅干し。
青梅をあらって、重石を載せて塩漬けにします。
二、三日すると、梅酢が出始め、それを干すのです。「三日三晩の土用干し」と言われてきたそうです。
そうすると、梅の実にシワがよります。
これに紫蘇を加えて、赤い色をつけます。
今年はやめようとは、ならないのです。
気持ちが沈んでいようが、辛かろうが。