犬 ふ ぐ り 堰 の ほ と り の 水 あ た り

人生で最初に出会った植物が、犬ふぐりだと思う。
たぶん4歳くらいのころ、まだ筥崎にいた頃。
宇美川と多々良川に挟まれた三角地帯。
堰があって、いつも水音がしていた。
ほとりに咲いた犬ふぐりを摘もうとして、何度も花を摘み、すぐに散ってしまった記憶がある。
茎から摘めばいいものを、幼いがゆえ知恵がまわらなかった。
川岸は護岸工事などなされてはおらず、竹藪をくぐって川面に出るような、冒険心煽る遊び場だった。
ホントの母は健在で、アイロン掛けや、包丁、ちょっとした煮炊きなどやらせてくれた。
近所のおばさんが、危ないと言うのを、構わないと言ってくれて、なんか誇らしかったことなど、ちらと憶えている。
親というものはいいものなのだろう多分。
あれ以来頑なになってしまった心は未だ改善せず、「母」ものとなれば、新聞の投稿記事も、俳句も読まないことにしている。
話を聞くと気分が悪くなる。
親を思う子と、子どもを思う母親。
犬ふぐりを見たときだけ、一瞬やさしい気持ちになる気がする。

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