誰読まぬ 百科事典に 春嵐 むかし、家に百科事典を、それも居間や玄関などの人目に付くところに、飾ることが 流行った時代がある。 子どもはあまり読まずに巣立ち、孫は見向きもしない。 それにもう、時代にそぐわないものになっているけど、 相変わらず同じところに鎮座ましましている家は、ある。 何十年の月日をこえ、巡る季節を過ぎ、何十回目の、春の嵐の砂ぼこりに見舞われている。 よかったらクリックください。励みになります。