近ごろはめったに見なくなった氷の張った水溜り。
子どものころは、道はでこぼこ、水溜りはあちこちにあり、登校時は、氷の張った水溜りを見つけ次第踏み割って歩いたものだ。
すでに先を越されたものがほとんどだったけれど。
前日に、バケツに水を張っていれば、必ず氷が張っており、天井から落ちたらしい大きなねずみが上半身を真っ逆さまに水に突っ込み、その態勢のまま凍っていたこともあった。
学校は寒かった。
外とあまり変わらなかったかもしれない。
しもやけもあかぎれも普通にあった。
ヒートテックなどというものはなかったから、きっとずいぶん寒かったはずなのに、子どもは元気だったような記憶しかない。
過ぎてしまった遠い日のことだから、ただ懐かしさだけが残っているのかもしれない。