ざくろは、実が大きいのに、花は小さい、わりと目立たないオレンジ色で、さらに木はごつごつしていて、冬は味も素っ気もない。
ただカッパリと割れた実はとても魅力的で、きらきら輝く宝石のような小さい種がびっしりとある。
食べれば、甘酸っぱくて美味しいのだけれど、なにぶん種のまわりに薄く付いてるその宝石色の果肉はとても薄く、種ばかり多い。
したがって、食べにくいことこの上ない。
幼いころ、田舎の叔父の奥さん、つまり叔母が、わたしが喜ぶからと、その日に採って持ってきてくれていた記憶もあって、わたしには特別の果実。
スーパーにもどこにもなくて、長いことお目にかかってないが、とても懐かしい。