脳 男

脳男 [レンタル落ち]

常識では考えられない、高い知能、驚異的肉体、人間らしい感情が大きく欠落している主人公に、生田斗真。
過去に、年の離れた弟を殺害され、( 殺害の状況は、髪と眉を剃り落とされ、全裸で後手に手足を拘束された状態で、発見された) それが原因で、閉じこもり、一日中テレビとお菓子漬けの母親を抱える、精神科医に、松雪泰子。
「犯人に告ぐ」の瀧本智行監督。
「八日目の蝉」の成島出脚本。
江戸川乱歩賞受賞。
2013 映画化。

精神科医の松雪は、弟を殺した男に、カウンセリングを続け、男はみごとに社会復帰、更生した。松雪に、「わたしのいちばん大事な患者」とまで言わせる。
お礼を言いに訪れたこの男の腕に、真新しい、子どもの歯型を見つけた生田は、更生したフリをしているだけ、全く変わってないことを見抜き、殺害に及ぶ。男のアパートの浴槽から、髪と眉を剃り落とされた、全裸の少年が、かろうじて生きて発見される。
ちゃんちゃら可笑しい。衝動的な感情で、人殺しをしたのではない、明らかに変質で偏執な人間に、更生などあろうはずもない。
性癖と言われるものが変わるとは思えない。
松雪は、映画のなかで、心を尽くせば、反省し更生が可能だと信じる専門家を演じる。
監視を常態化することと、カウンセリングと称する説教を徹底的に繰り返すことで、抑え込むことはできるだろう。それは、矯正でも更生でもない。勘違いしないことだと、門外漢のわたしは確信する。
映画として、とてもおもしろかった。オススメである。