ながらえば さびしさつのる つるしがき
歳を取れば、身体のあちこちに不具合を生じます。
耳が悪くなれば、補聴器を付ければいいと言われるかもしれませんが、どうもそれでは不都合らしいのです。
年寄りの難聴は、厄介で、低いひそひそ声は、比較的よく聞こえ、甲高いよく通る声は、聞き取りにくいと。
「 おかあさん、帰ってきたよ 」
と聞けば、「 あゝアタシの悪口言ってたんだな 」
と強くなった被害妄想もあって、悲しい思いをするらしいのです。
耳の遠い人と話すのは、正直とても疲れます。
ついつい省いて説明したりしがちです。
ご飯に時間がかかるという理由で、自室に運んで食べさせる家もあります。
長生きも、辛いもののようです。