やまくらげ かみおとひびく つやふるまい
通夜の席、読経が終わった後、死者との最後の夜に食事を振る舞う習慣が、田舎にはまだあります。
今は、葬儀社が準備するようですが、家で通夜、葬儀を行なっていたころは、農家では近所の主婦が総出で賄いをしました。
普段から、集まりごとが多く、大人数の食事の世話に慣れていることや、鮮度のいい野菜を使うこともあってか、びっくりするほど美味しいものが出て、大いに感動したことがあります。
山くらげという野菜を知ったのもこのときです。
こりこりと気分のいい歯ごたえがあり、部屋じゅうに響き渡るような気がしたものです。