こうぶつの せりめしえがお うかびくる
芹ご飯が大好きな人でした。
店で買ったものでは物足りないと、田芹を自分で半日かけて歩き回って採ります。
田芹は、短くて、雑草に紛れて見つけにくいし、根っこのところから採ろうとするから、手はもちろん爪の間まで真っ黒になって、お供を要請されるのは、まことに迷惑千万でした。
炊き上がったご飯に混ぜ込んで、薄味を付け出来上がりです。
炊き込まないのは、独特の香りと歯ごたえが薄れるからです。
あの笑顔思い出せば、もっとにこにこして参加すればよかった。
まさか今年の芹を食べずに逝くなんて思いもしなかった。