野を走り 庵(いおり)たたけど 虎落笛(もがりぶえ) さみしさのさまようような音を出す虎落笛。 走り回って、家々の戸をたたき、何処か入れてくれるところはないものかと もがき苦しむ姿を思う。人間はきっと何処かに、心落ち着く場所があると 信じている。苦しんでも、かならず行き着くと信じている。