あきのちょう はねたたみつつ ひとつづつ
まだ何かやり残したことがあるのか。
後悔してる、例えば失言して、そのまま修復できないでいることがあるのか。
見るからに意欲に乏しい秋の蝶が、庭のわずかな花を、ひとつひとつ訪問しているようにも見えるのです。
高い空を勢いよく飛んでいたのに、寿命の終わりをさとったような飛び方です。
遣り残しなんて、後悔なんて、いつ死んでもたくさんあると思うのです。
わたしなんて、ユウレイになってでも、やりおおせないことがあると思うのだけれど、生きてる遺族にとっては、なんとかなるものなのだと、いろいろな人を見て思います。
「わたしがいないと」なんてことは、おそらくないのです。
なんとかなるのです。
もしかしたら、今より快適になる人もいるかもしれない。
そんなものだと覚悟しなければならないのかも。