ひするなら つまらぬおとこ りゅうのたま
龍のひげと呼ばれる、何処にでもある一年中緑色の、地面に張り付き枯れることもないありふれた、細い10センチくらいの葉の塊のような植物があります。
冬の今ごろには、その深い葉の奥に、青い緑がかった小さな宝石のような玉を付けます。
「龍の玉」と呼ばれます。
葉を除けて見ないと、上からではなかなか見えません。
秘密にすればするほど、抱えているものは輝きを増すものです。
「落ち着いて考えてごらんなさい。
あんなつまらないオトコに夢中になるなんて」
なんて言ったところでどうにもならないものです。
説教すればするほど、意固地になり、話さなくなります。
いちばん嫌われるのは、
「いい年をして」
しまった、言わなきゃよかったと思っても、あとの祭りです。
フタを閉じたサザエのように、口を閉ざします。
あんなバカチンだったとは。
幼稚園から付き合っていて、今までわからなった。