けいとうは あたまごつりで ありぬべし
最近は、おしゃれな、か細いケイトウの花が人気らしく、円形の大きな花壇に色を変えて、植えてあるのを見る。
アタシが子供のころ、近所に遊びに行くと、農家のブロック塀に、大きなアタマをもたれ掛けるように、
ぜんぜんキレイじゃない、毒々しい真っ赤な、大きなアタマのケイトウが咲いており、
その家のオジさんおばさんは、農作業に出ていて、
自分の子供のために、アルミの炊き出し用みたいな大鍋に、
サツマイモが、ふかしてあった。
むかしの芋だから、パサパサして甘味も今ひとつで、美味しくないのは容易に想像できたけど、
ナベいっぱいあるのに、アタシにはくれようともせず、自分たち兄妹だけで食べていた。
それでも家に帰って、ママ母に叩かれるよりはマシなので、
じっと見ていた自分が、今となっても哀れだ。
ケイトウには、ろくな思い出がない。