風鈴の けたたましくて 隠居する

二階から下にすだれを下げた。その一番したの紐に、風鈴を結んだ。なんて風流なんだろう。梅雨の終わりの突風が容赦なく吹き付けて、沖縄生まれの吹きガラスの、深い海の色の、空気の玉が混ざったような美しい風鈴が、割れんばかりに、激しいメトロノーム振れまくりみたいに暴れて、近所迷惑だから、いちおう引き上げた。諦めたわけではない。わたしは風流を愛しているから。

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