きんのおの 「それです」というはるのゆめ
どこか外国のおとぎ話だったような。
キコリが湖に、自分のオノをうっかり落として、途方にくれていたところ、
美しい女神が現れ、金のオノを手に、「落としたのはこれですか?」
「いいえ」正直なキコリはクビを横に振りました。
次に出してきたのは、銀のオノ。
同じく否定すると、最後にキコリが落とした粗末なオノを出してきました。
それだと言うと、正直だと大いにほめられ、なんだったかとんでもなくステキなご褒美に
あずかるというお話。
どうしたことでしょう。
夢の中でわたしは、あろうことか、金のオノを見せられ、「それです」と
大ウソをついたところで目が覚めました。
この歳になって、このあさましさでは、幸せは来ないと実感しました。