うらきどを とずればなおに もがりぶえ
寒い寒い夜、木枯らしが吹きすさぶ。
電線や塀や土管などなんでも通り過ぎながら、泣くような、ときには悲鳴のような声を上げます。
身の置き場のない、切実な孤独感ととらえてしまうのです。
寂しさの極まったとき、人は黙るのか、泣くのか。
いろんな人の顔が浮かんでは消えます。
誰かに打ち明けようとか、助けてもらおうとか、甘い甘い。
相談すれば気が晴れるなんてウソウソ。
だまされてはいけない。
他人にはどうすることもできないことがほとんどだから。
それに、そんな優しいニンゲンを未だかつて見たことがない。