やくほうし そのつらなりは はるのつき
むかしクスリは、つるつるの紙に一回分ずつ包まれていました。
たいへんな手間だったでしょう。
ひとつひとつを幾つも重ねることが出来、長くなると微妙に曲がるのです。
そして、それは、クスリの袋にみごとにおさまったものです。
まるで春の月を、その動きのまま写真に収めたように。
飲むときは、開いて、真ん中を凹めるようにして、大きく口を開けて、流し込むようにしなければなりません。
こぼれやすいですから。
あの頃から、クスリはわたしにはよく効いたものです。