すすきはら まよにてっきょう すぐるおと
ススキは、穂が出始めた夏の終わりのころは、
赤みのある色をしていて、
蒼さというか若さが目立って、凛とした風情があります。
ススキ原ともなれば、冬に入るころで、
よれよれの白い穂が飛ぶに飛べないしかも、
まっすぐ立つこともままならない感じです。
少しだと、薄汚い印象です。
それでも広い広い野原や、川べり一帯に広がるさまは、
さみしさや世の哀れをを感じさせる風景ではあります。
貨物列車は、鉄橋を渡るとき大きな音に変わります。
ときに泣くような汽笛を鳴らすこともあります。
今では昼間見ることはなく、静まりかえった夜中にその音は、
遠くまで届きます。
空気が冴えざえとしているからなのか、
いつまでも眠れないせいなのか。