もみすりて くすぶりやくる きのうきょう
秋の夕暮れは早い。
何処からともなく漂ってくる籾殻を焼く匂いや煙の匂い、ちょっと目にしみることも含めて、これが幼い頃からのわたしの秋と言えるかと思います。
もみがらは、めらめらと燃え上がるものではなく、小さな火を持ち抱えたまま、くすぶるように時間をかけて燃えていきます。
幼いときに母を無くし、大切にしてくれた人々も、原風景と言われるものも、思い出もすべてが一気に無くなってしまった、その喪失感を誰に話すこともなく、胸にしまってきました。
柿よりも巨峰よりも紅葉よりも、こっちの方が優先します。
誕生日も十一月なせいか、大好きな季節です。