つみきには とんねるひとつ ぼんぶつま
むかし、木の積み木のセットには、必ず半円の穴の空いたトンネルみたいなものがありました。
盆には、父親の実家に連れて行かれ、なんということはないけれど、いちめんの筑後平野に育つイネや、イグサ。
近所には、酪農家もいて、大きな銀バエが音を立てて飛んでいたものです。
畳の部屋が開けっ放しで、これといってすることもなかったので、「夏休みの友」をチョロチョロっとして、あとは神社にあるブランコやシーソーで遊んだり、テキトーで、退屈しない、短い夏休みを過ごしたものです。
大人たちは、あの頃甲子園に夢中で、三井三池の炭塵爆発の後の、三池工業高校の決勝戦とあって、歓声はそれこそ家が揺れる気がしたものです。