点 滴 を 引 き 連 れ 一 歩 浅 き 春

近ごろの病院は、いつまでも寝かせない。
腰の痛みで入院した友だちを見舞ったのだけれど、手術のあとすぐに「歩きなさい」と言われたらしく、大きなバケツみたいな点滴のぶら下がった棒をずりずり転がしながら、玄関の外まで送ってくれた。
まだまだ寒いけれど、樹にはまちがいなく若い小さな芽が出ている。
春が確実に来るように
怪我も病気も、本人が気づかないくらいぼちぼちでいい。
次第しだいに治ってくるといい。

画像出典:点滴 / ryosalem