あかしあに ざんりゅうこじの ぼうきょうや
中国残留日本人孤児。
次々と帰国する事業が終わってから、もうどのくらい経つものか。
わたしの記憶では、天安門事件のずっと前から始まっていて、天安門を挟んでまだしばらくは続いたと記憶しています。
一世は完全な日本人ですが、子どもや孫たちまでいっしょに帰国し、慣れない日本で、言葉から覚えなければならず、たいへんな苦労をしたことでしょう。
「そうまでして、なんで帰って来るのか?」
そんな疑問が世間ではささやかれたものです。
もうそれは、望郷の念のひと言だと思うのです。
父母の国だから、自分の国だから。
何十年経ち、すっかり同化したのでしょうか。
けれど、長く育った中国が、懐かしくないわけもないでしょう。
ふたつの祖国を持ってしまった人間にしかわからないことは多いはずです。
今の中国の繁栄ぶりは、当時はとても想像もつかず、後悔している子孫もいるかもしれません。