なつかしき なえふだみつく ははあるひ
むかし、そこらじゅうに、当たり前にあった草木が、
いつのまにか消えてしまっていることに、気づくこと、けっこうあります。
流行でしょうか。
洋花ばかりが、もてはやされている気がします。
庭木でも、コニファーや、オリーブなど、見栄えが良く、すぐ大きくなる木ばかりです。
話はかわりますが、
ワタシの故郷は、やっぱり筥崎だと思うのです。
ものごころついてから、ほんのわずかな期間ではあるけれど、母がいた。
郷口町。
宇美川と、もう一本小さい川の合流地点で、竹の先にクズ野菜を付けて垂らすと、川ガニが釣れた。
護岸工事のなされてない川岸は、子どもらの、かっこうの秘密基地。
まだクルマの少ない時代、大きな道路を、クルマがいないときを狙って、走って渡る競争は、親にはナイショ。
休みの日には、ばあちゃんが、筥崎宮まで、妹をベビーカーに、ワタシは徒歩で、行ったものです。
もう誰も知らないこと。
思い出を共有できる人が、ひとりもいないことは、さみしいことです。
それから先は、どうしようもなく悲惨な人生だった。