ふゆざれの かくえきていしゃ あのひまで
懐かしい、懐かしすぎる 街には、多くの場合楽しい想い出だけが残っているわけではないと、わたしだけではなく、一般的にもそうではないかと想像します。
あれもこれも含めての想い出なのです。
もういまの生活では、訪れる機会のない、遠い街に、たまたまその先に用ができて、各駅停車で、さらに途中下車して、コートの襟を立て、マフラーをぐるぐる巻きにして歩いてきました。
あれから、長い時間が過ぎ、寄れる家などないけれど、再開発とかで、ただでさえ少なくなった想い出は、川や橋や学校とその他少しを残して、すべてが見覚えのない新しい斬新な建物に変わっていました。
胸の奥に、小さななみだの壺を抱えたひとり旅でした。
もう行くことはないと思いました。