三 百 の つ づ ら 棚 田 に 水 巡 る

昔のひとの知恵だろう。
竹を切り、縦に割って、樋にして、水を流す。
そうやって、段差の激しい棚田の隅々まで、水を行き渡らせる。
作って、設置角度や方向を見ながらやるのだろう。
時間のかかる、手のかかる労力の限りを尽くすたいへんな仕事だろう。
しかも一軒だけでは、どうにもならない。
三百もある棚田に、満遍なく水を廻らせ、暑い夏を乗り切り、やがてみごとな実りを見せる。
たいしたものだと思う。
たいした努力だと思う。

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