ともすれば もうおわろうか もがりぶえ
虎落笛がニンゲンのように思えてしょうがありません。
どうしようもなく人恋しくて、木戸を叩いて回るうち、自分がほんとうにひとりであることを、孤独の本質のようなものを、知ってしまって愕然としたのではないかと思うのです。
寂しさが限界を超えたと実感する瞬間です。
毎夜毎夜、こごえる寒さの中、しのび泣くような声で木戸を叩いて回るようなことをしてどうすると、思っても不思議じゃない。
人が人であることをを投げ出すように、虎落笛もモガリブエをやめようとするかもしれない。