つるしがき ながきえんがわ ながきさお
売るわけではないから、柿スダレのように、縦に長く、立派なものを作る必要はなく、家族が食べればいいのです。
むかしは縁側に一個づつ横にずらりと、干し柿が並んでいて、学校から帰ると、一個づつおやつになっていました。
それを縁側に座って、足をぶらぶらさせながら、トサカのような真っ赤なグロテスクなケイトウを見ながら、食べたものでした。
家にはかならず縁側があって、粗末な借家にも、粗末な縁側はあって、たわんだ洗濯物干しの竹竿は、とにかく長く感じたものです。
縁側には、なぜかきまって足踏みミシンがありました。