からたちの はないつまでも とげのなか
バラなどとは比較にならない、強くて大きくて烈しいトゲです。
むかしは生垣に使われていたらしいのですが、あまりのトゲの激しさに、しだいに遠ざけられたものと想像します。
白い五弁のきれいな花、食用にはなりませんが黄色のかわいい実をつけます。
しかしなんせトゲがひどくて近づくことなどできません。
柳川の白秋生家に一本だけ育っています。
童謡が有名です。
作曲 山田耕筰 作詞 北原白秋
「からたちの花がさいたよ。白い白い花が咲いたよ」
山田耕筰は、幼い頃養子に出され、活版工場で働きながら夜学で学んだといいます。
自伝では、工場で辛い目にあうと、カラタチの垣根まで逃げ出して泣いたと述懐しています。
この歌は、耕筰のこの思い出を白秋が詞にしたと伝えられています。