ほんとうの ことききしより つゆさむし
両親が離婚するとき、幼かった妹は父とともに生きることがすぐに決まり、もう五歳になっていたわたしは、事情を理解していたせいか、性格が可愛くなかったせいか、最後までどっちに引き取られるか決まらなかったということを、半世紀以上も経ってから、叔母に聞かされた。
別にわたしが聞いたわけでもないのに。
言わなくてもいいことを。
知らなくても済んだのに。
ほんとうの ことききしより つゆさむし
両親が離婚するとき、幼かった妹は父とともに生きることがすぐに決まり、もう五歳になっていたわたしは、事情を理解していたせいか、性格が可愛くなかったせいか、最後までどっちに引き取られるか決まらなかったということを、半世紀以上も経ってから、叔母に聞かされた。
別にわたしが聞いたわけでもないのに。
言わなくてもいいことを。
知らなくても済んだのに。