國史大系 / Mixtribe Photo
オヤジが死んだとき、歴史の本を読みたがっていたと、アホな母親は、棺に、約30巻の歴史のシリーズ本の中から、鎌倉時代を持ち出して入れた。葬儀屋の人は迷惑していた。ぶ厚い本は焼くのが大変だと、ページを少しずつまあるくして、風というか火が通りやすいように工夫していた。本など読んだこともない人間のすることだと感じた。鎌倉時代の抜けた歴史書は、なぜかまったく読む気がしないものだ。ああいうものは、ピシャっと揃ったものを、おもむろに、最初は面白くないのを我慢しながら、一から読むものである。わからないやつだ。ぜんぶ捨ててしまえ。