ハンドメイドといえば、素人が手作りのアップリケや弁当箱入れを売るところのような印象だが、最近のはちがう。
もうデパートに出すようなしっかりした、しかもセンスのいい若い女性が夢中になるようなアクセサリーや、バック類、インテリアなどを販売するサイト。
怖いもの知らずの門外漢のわたしが、ついに登録!
ここに辿り着くまで、自分で言うのもなんだが、涙ぐましい努力の日々であった。
わたしはがま口の財布とポーチを出品した。
でも、こういう物を出したいわけじゃなかった。
きらきら光る、不思議なイヤリング。
硝子の容器の中に光る星の砂のようなものが入っていて、動くたびにスウィングする。
また、天の川のような煌めきが印象的なブルーのイヤリング。
耳に穴を開けられないのは、中高年の女性だけだと思っていたが、最近の若い女性はピアスを開けるのをいやがる人が多いと聞いて驚いた。
ほんとうはそんなイヤリングを作りたいわたしが、がま口財布を作った理由は簡単。
イヤリングの作り方がわからないから。
見当もつかない。
財布なら、本も出ている。
いろいろ出てるけど、なかなか自分の好みのもの、知りたいことを載せている本は見当たらないものの、一応本はある。
あのイヤリングはなに?
教えてくれるサークルや教室もない。
センスや試行錯誤だけで、あんなステキな作品ができることが信じられない。
わたしが思いつくのは、ビーズやパールを繋いだものや、リボンをあしらったものくらいで、あんな夢のような作品は見たことも聞いたこともなかった。
ほかに作りたい物があるのに、がま口を作るのは、
ダントツの落ちこぼれではあるが、一応洋裁教室に行ってるし、工業用ミシンとロックミシンを持ってるし、布地には馴染みがあるからに過ぎない。
それでもシワになるし、細心の注意を払ったつもりなのに、何処かに接着剤が付いてしまったり。
薄い生地だと接着剤が滲んたり、用心して薄くすると口を開けたり閉めたりした拍子に外れたり。
何度も何度もやり直して、何ヶ月もかかってやっと数点出展にこぎつけた。
それにまだ、売れたわけじゃないし。
ひとつでいいから、売れるといいな。
励みになるし、やる気も出るかもしれないし。