のやきあり みえぬほのおの ひたはしる
早春、野原の枯れ草などを焼きます。
野焼き、春の季語で、風物詩でしょうか。
害虫を殺し、土地を肥やす、草木の芽吹きを促す効果があると言われています。
古代の焼畑農業の名残とも。
ただ火の恐ろしいところは、よくよく見ていると、めらめらと赤い炎が燃え盛るまでには、かなり時間がかかり、色のない火が走ることです。
火が走っているのは、透けて向こう側に見える景色が、火によって起こる空気の動きで陽炎のように揺れるから、それとわかるだけです。
風のない時季を選んでも、火をつけることで起こる風は防ぎようもなく、ときに事故もあるようです。