おとろえの ひとつふたつを わすれじも
人の老化は、ある日突然やって来るわけではありません。
ただ、それが本人には到底分かるものではありませんが、周囲の人が気がつくのはある日突然です。
そして身内がそれに気づくのは、ずっとずっとときが経ってからです。
「えっこんなだったっけ 」と一瞬呆然とするわけです。
たとえば、約束を大きく勘違いしていることに気づいたり、今までクルマを駐車場のどの辺りに停めたか、迷うことがなかった人が、死ぬほど歩き回って探したり。
急に攻撃的なことを言ったり。
大丈夫かと心配になるけれど、言うわけにもいかず、そうこうしているうちに進むのかと思うととてもさみしい。
大切な相談相手なのに。