しゃくやくの はんひかげなり うすきべに
藤の花を見に行ったついでに、奥の里山に足をのばしたところ、細いせせらぎがあり、その中にその周辺に転がっている石は湿気のせいで、皆みごとに苔むしていました。
その両側には、人の手の入っていないシャクヤクが、枝振りも自由に、咲き誇るでもなく、静かに咲いていました。
高い樹々に囲まれた、ちらちらと陽の当たる程度のところが、生育にちょうどいいのか、花も濃い紅色ではなく、ほんのり甘い薄いピンクです。
藤棚のように、徹底的に手入れのされたものより、放っとかれた美しさに惹かれたものです。