摘めばもう 散るか幼き 日のフグリ

まだ幼いころ、うちに母親とばあちゃんがいた、ほんの短い日々、春の浅いころ、道端の青い小さな犬フグリの花がとても素敵に見えて、なんとか摘んで帰りたいとおもったものでした。やっと摘んでもちょっと持ち上げただけで、すぐ散ってしまう。何度も何度も挑戦したものです。 考えてみれば、あれから長い長い不幸な日々がつづいたこと。犬フグリの花を摘んだころは、そんなことの予感もなくて、今さらながら苦労したものだ。

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