子 蟷 螂 (とうろう) 草 野 に 出 で て 右 左

かまきりの赤ちゃんは、今ごろたまごからかえると知った。
あの怖ろしげな、鎌を振り上げた大かまきりからは想像もつかないくらい、可愛らしい。
つくりはおとなと同じで、三角の顔、目、そして体のわりには立派な鎌も備わっているが、なにせ小さい。
3センチあるかないか。
秋の草原を、どうしていいか、右往左往している。
やがて、虫の取り方も覚えて育っていくのだろう。
おもしろくて、しばらく見ていた。