刈 田 行 く藁 焼 く 匂 い 何 処 (いずこ) よ り

子どもの頃から、わらを焼く匂いが大好きだった。
秋の紅葉のころ、電車の窓からなんともしれないやさしい、そう秋の匂いが入ってくる。
遠くの方で、白い煙が上がっていて、そこらじゅうに立ち込めて、そのせいで景色は秋の只中に変わる気がしたものです。
稲刈りは、とうに済んでいて、あちこちに藁こ積みのようなものが、こしらえられていた。
釣瓶落としで日が暮れるほんのすこし前、いい時間、いい景色だった。