古い家が取り壊されたところがある。
家はもうないけれど、門や塀はそのままで、ヤツデや、大株になったアロエ、陽あたりのいい一画には水仙がもう花をつけている。
哀しいといえば、哀しいけれど、温かいといえば、温かい気にもなる。
門代りのブロックの横、ヤツデは、ひっそりとそこにある。
常緑で低木で、とにかく目立たない。
品がいいということもない。
花は咲くけど、地味で、誰も見ない。
ヤツデには、盆も正月もない。
雪になろうが、花が咲こうが、春になろうが、誰もヤツでに、今何分咲き?とはきかない。
もう咲く、咲いた、さあ散ったと、騒ぐことがないのがいい。
いつも同じところに、同じようにあるのが大事。
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