真 贋 ( しんがん ) の 怪 し さ 忘 れ 春 の 雪

茶碗。
本阿弥光悦作の名品だって。
ニセモノだろう。
そうに決まっている。
まったくうちの婆さんほどの見栄っ張りは見たことがない。
わかっていて嘘をつく。
見栄っ張り。
この劣悪な遺伝子は確実に受け継がれている。
しょうもない家なのに、遠い遠いはるか遠くの血すじの人間の自慢話をする。
何処の家にも、ひとりくらいちょっと見栄えのいい経歴の人間がいるものだ。
何処の家にも、ひとりくらい風呂敷に包んで、押入れの隅に隠しておきたい人間がいるものだ。

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