叩くなよ いつか仕返し 梅雨の夢

ずいぶんと理不尽なことで、叩かれて育ったものだ。ずいぶんな時間を震えおののいて過ごしたものだ。返せ。わたしの心を。おびえた時間を。「人を許すことで、あなたも救われるの。仕返しなんて考えても、むなしいだけだわ。その人の幸せを心から願えるようになったら、あなたは大きな人間になれる。」 ふざけんな。仕返しがむなしいかどうか、やってみなきゃわかんないじゃないか。もしかしたら、すっきりして、わたしは大きな人間になるかもしれないじゃないか。いまだに夢を見るのはなんだ。あの頃、小さくてなんの抵抗もできなかった。誰にも言えなかった。わたしは、考えられないほど、いい子だった。誰も助けてくれなかった。興味本位でいろいろ言わせようとする大人はいたけど、その手に乗ってはいけないと、本能的に感じた。梅雨の頃、暑いか寒いかわからない天候のころ、繰り返し繰り返し夢を見るのはどうして。いまだに私だけが苦しむのはどうして。

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