原 爆 忌 ひ と り 黙 祷 老 ひ て 夏

げんばくき ひとりもくとう おいてなつ

終戦から長い長い歳月が経ち、また夏が来た。
あの日、あの時間、テレビのサイレンとともに、年老いた戦争体験者が黙祷する。
誰に言うでもなく、強制するでもなく、あの日を語ることもなく。

投下直後の写真をもとに、最新の技術を駆使し、それでも長い時間をかけ、聞き取りもできるだけ詳細に行って、ほんの短い動画のDVDが完成したと聞く。
見た人は、地獄絵図を見たと言う。
また、走っていた電車の中で被爆し、周りの大人が盾になり、直接被曝を避けられた少女がいたという。
母親は二週間後、原爆症で死んだ。
同じ電車に乗り合わせた7人が助かった。
一週間後にこの症状、二週間後にこの症状と、全く同じ時期に同じ症状に苦しんだという。
その後のことは知らない。
今もなお集うことがあるというから、元気でいるのだと思う。