雪 も 泣 く 月 も 泣 く な り わ れ も 哭 く

月
月 / pika1935

年をとるにつれて、人には言えない哀しさが身を包むことが増えるような気がする。明るいと言われるけれど、暗い鉛玉のようなものを、いつも胸の奥に転がしている。何にもないときには、右に左に適当に転がって、意識することもないのだけれど、ひとたび傷ついたり、つまづいたりすると、鉛玉は、嘘のように重みを増し、嵩を増し、なかなか立ち上がることができない。困ったことだけど、今のところ、どうしようもないでいる。