思 案 な り 試 し 試 し の 糸 と ん ぼ

とんぼの停止飛行は、見ていて飽きない。
鳥のように、目標に向かって一直線というのではなく、目標があるのかないのか、とりあえず飛んでみた格好で、えさを取るでなく、警戒しているふうでもなく、わたしには世間を見ているとしか見えない。
川のそば、小さな橋の欄干と、川に沿った道の上を、結構な群れで、高さはそう、人の身長くらいの位置を確保しながら、夏の終わりを、夕暮れを全身で感じている。