冬 木 立 透 け て く る り と 月 の 道

大きな樹が思う存分葉を茂らせていた夏が終わり、紅葉も過ぎて、もうすっかり枯れ木になってしまった。
樹々は葉を落としたけれど、先の先の細いところまで、しっかりと丁寧に枝である。
眠れない夜、その枝々の向こうに明るい月があった。
しばらくたってまた見ると、月は大きく動いていて、でもまだ大枯れ木の枝の向こうにあった。
つまり枯れ木の向こうに月の通り道がある感じ。
煌々と明るい。
近くの公園の球技場に、大型のナイターの電灯の柱が4本建てられ、そしてそのそれぞれに四段の電燈が貼り付けられているのだけれど、月の明るさは、その二段つまり半分を灯したくらいかと思う。
あれが点いていると、月には気がいかない。
明るすぎて。
無粋なものを作ったと思う。

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