花 ミ モ ザ 廃 屋 覆 ひ 空 覆 ひ

はなみもざ はいおくおおい そらおおい

幹線道路をふた角ほど中に入り込むと、狭い狭い道沿いに、もうとっくに人が住んでいないと思われる家がそこここにあります。

決して田舎のことではなく、政令都市とされる街中です。

なんでこんなもったいないことになるのか、固定資産税は払わずにすんでいるのかと、余計なお世話がはたらきます。

住宅地は、決定的に駐車場が足りず、マンションもまた、一戸当たりひとつしかスペースはないようでえ、みんなクルマを停めるのに四苦八苦です。

コインパーキングにでもしてくれたら助かるのにと思ったりもします。

遠いむかし、この家に元気な家族が居て、子どもが学校に通っていた頃植えられたのか、ミモザの花が幹も大きく育ち、黄色い花はまるで天から降り注ぐように、朽ちかけた屋根に覆いかぶさります。

この樹を植えたころ、誰が今の状況を想像したでしょう。

人生は、一寸先さえわからないと思うのです。

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