市内電車


old style tram / tsuda

もうずいぶん前のこと。
福岡市内には市内電車が走っていました。
どんたくには花電車として、一世を風靡した時代もありました。
電停は、道路の真ん中に細長くあって、当時それほどクルマが多くなかったせいか、立っていて恐怖感はありませんでした。
むしろわたしは電停に立つことが面白かった記憶があるくらい。
市内には大きな公園が幾つかあり、わたしが一番好きだった公園は、一番人気のなかった東公園。
日当たりが良くなかったのか、あまり明るいイメージはなく、植えられていた植物も地味で、なんという名前か、キャベツみたいなのが、植え込みにいっぱいあったのを憶えています。
昔のなんとかいう人の銅像はそのままに、公園は県庁に変わってしまいました。
特に反対運動もなかったのは、東公園がよくよく人気がなかったからでしょうか。
残念に思ったのは、わたしだけだったのでしょうか。
東公園に行くには電車です。東行きの電車は、ふつうに走り出します。
そしてたしか千鳥橋あたりで、敷石からふつうの軌道に入り、スピードが上がります。
音もガタゴトいってたのが、ゴーっという音に変わるのです。
当時馬出(まいだし)地区は、貧しい家が多かったのかもしれない、トタンの錆びた屋根が、電車の車体すれすれにあって、それはそれで印象深いものでした。わたしはあの電車が好きでした。
生まれ故郷の筥崎に近かったからだと思うのです。
故郷は母といたところ、そのすぐ後あの人は去って行った。
いつまでも卒業できないわたしは、一人で何度も行った。
あの電車に乗って。
誰かあの電車を憶えている人はいませんか。
あのじめじめした東公園を好きだった人はいませんか。

この句も読まれています。

お は じ き の 欲 し ゅ う て 欲 し ゅ う て 放 生 会... おはじきの ほしゅうてほしゅうて ほうじょうや 筥崎宮の放生会。 わたしのこころの故郷。 放生会に売り出される、おはじきのかわいらしさと懐かしさ。 のどかで、素朴で、宝物にしたい。 夜明けから、もっと徹底した人は、前夜から並ぶらしい。 その気力、体力がないために、未だに手に入らないでいる。...
花ミモザ 咲き乱れ降る 異人館 ミモザの花は、どこか異国のにおいがする。 ヨーロッパから来たのであろうか、よく知らない。 古い洋館の瓦屋根にとてもよく似合う。 いつのころから、ここにあったものか、 誰か遠い国から持ち帰って、植えたのだろうか。 力いっぱい華やかで、どこか異国情緒を感じるのは わたしだけだろうか。...
冬近し 柿の落ち葉に 初時雨 もう秋も終わりに近い。 時雨が冷たい。 柿の落ち葉のじゅうたんも見ごろが終わったようです。
妖 し か り 狐 百 匹 奥 稲 荷 あやしかり きつねひゃっぴき おくいなり 太宰府天満宮で、吟行の会があり、天満宮を訪れたのですが、もう何十回も行ってるはずなのに、知らないところがいっぱいあって、とても驚きました。 右手に遊園地を見下ろす高台には、稲荷神社があります。 狛犬ではなく、キツネが左右に陣取って、一匹は何か巻物を咥えてい...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください